WEB針金細工教室 Part 1

★素材

 まず、材料についてですが、ホームセンターの日曜大工用品売り場、金物店などへ行って探してみましょう。線材(針金)には太さ、硬さ、色などメーカーによってもさまざまなものがあるので、日頃から多くの店を覗いて、製作の時に適したもの、好みのものを選べるようにしておきます。

●真鍮線
銅と亜鉛の合金。5円硬貨の素材です。金色をしていますが、時間が経つにつれて黒ずんできます。金属磨きの液をつけて磨くと、また、以前のようにピカピカになりますが、渋みの出た色を好む人も多いようです。気をつけることは、なまして柔らかくしたものと、そうでない硬めのものがあることです。1ミリ未満のなまし線は、それ自体では柔らかいので、メッキで強度が増しているものや、組み合わせによって強度を保てるような場合を除いては、特にアクセサリーには適しません。市販のよく出回っているものは、なましのものが多いようです。比較的、形もとりやすく、見栄えもいい素材です。堅めの線は伸銅品専門店を探せば入手できます。

●銅線
10円硬貨の素材。これも、なましと硬めのものとがあります。どちらも、真鍮より多少柔らかめのようです。保存状態が悪いと,緑青(ろくしょう)という錆が出てきます。クリヤラッカーや透明マニキュアを塗れば対処できます。黒化剤で表面を黒化することもできます。(この場合、色がついたら重曹で中和し水洗いしますが、お調べになってから行ってください)

 ※黒化剤が手に入らない場合には硫黄系の入浴剤を塗ると、ほぼ同じ効果が出ます。ただ、このような商品でポピュラーだったムトーハップは製造中止になりました。硫黄分を含んだ同様の入浴剤なら同じ効果があるのではと思います。

●ステンレス線
変色したり錆びたりすることのない良い素材ですが、堅いので初心者には形を取りにくいかも知れません。

●洋白線
洋銀ともいいます。ニッケル、銅、亜鉛の合金。銀に似た色合いで食器やアクセサリーに使われています。真鍮より多少堅め。伸銅品専門の店以外では、あまり売っていません。

●ビニールコーティング・カラーワイヤー
カラフルなので、かわいい感じのものを作るのに向いています。注意する点は巻いてあるビニールが破れにくいものを選ぶこと。また、メーカーによっては色があせる場合もあります。しかし良いものを選べば、屋内に置いて直射日光に当たったり、ほこりをかぶるようなことがない限り、数年経っても、あまり変化は見られません。はじめは1.2ミリ(#18)を使うと良いと思います。細いものだと作るさきから形が崩れてしまったりします。きれいな色のものを選ぶと作品の見映えがぐっと良くなります。

●アルミ・カラーワイヤー
メタリックのいい色をしていますが、比較的柔らかいので、特に太いものを使うのでなければ、ワイヤーが組み合う形にするとかして、強度を考えないと、壊れやすくなります。それと、表面を傷つけやすいので、この素材は、慣れてから使ったほうがいいかも知れません。

●ピアノ線
硬くて曲げにくいので、形を作ったりするのは難しい素材ですが、ブローチのピンの部分などはこれで作るといいでしょう。ただし、保存状態が良くないと錆びることがあります。売っているところが少ないのですが、ステンレス・バネ線というのを見かけたら、そちらのほうがある程度、硬くて、錆びないので、ピンにするには良い素材です。

●ユニクロ線
鉄に亜鉛系のメッキ(ユニクロームメッキ)を施した、ごく一般的な普通の針金。あまり太いものでなければ、比較的、加工しやすい素材です。耐摩耗性・耐蝕性はやや劣るので、保存状態が悪いとさびが出ますから、仕上げに塗料などを塗ってコーティングしたほうがよいでしょう。使い方によっては、それなりの味わいが出ます。
●アーティスティックワイヤー
金属線にコーティングしたものですが、ビニールコーティングとは違っていて、電気関係で使うエナメル線のような感じのもので、表面はメタリックだから外見は金属線です。コーティングがあるので金属アレルギーの人が身に着けても症状が出にくいと考えられています。

TOOL

工具はどういうものを選べばいいかといえば、自分の手に合った使いやすいものということです。あたりまえのことですが、これにつきます。だから100YEN SHOPで売っているものでだって作れないことはありません。ただ、次のようなことには一応、注意したほうがいいでしょう。

1:ラジオペンチ
極端な話、これひとつあれば、できないことはありません。細かい作業をするのですからあまり大きめでないほうがいいかと思いますが、あなたの手に合っていて使いやすいことが一番です。一般的に言えば図1のAの部分は細いほうが作業がやりやすいようです。もし、あなたが自分のペンチを使ってみて、先が太いように感じたらAの部分をグラインダーかやすりで削ってみてください。でも、削りすぎると折れやすくなるので注意しましょう。
また、先の部分の挟む側にあるギザギザの目が粗いとワイヤーに傷がつきやすくなりますので、ここも表面を多少削ったほうがいいかもしれません。やってみる方は、使ってみてどの程度がいいか確かめながら行ってください。
なお、工具で素材の表面を傷つけるのが心配な方のためには、TOOL MAGICというアイテムがあります。これを使うと、工具やピンセットなどの先端部分がゴム状の膜でコーティングされるので、素材などを傷つけずに作業することができます。http://www.holder-mart.com/cgi/item_ygug.cgi?item_id=TA-TLMG001
2:ニッパー
切断のための道具です。ラジオペンチでもBの部分で切ることができますが、ニッパーのほうが切り口がきれいです。ニッパーでも切断面が平らなものと、そうでないものがあるので、きれいに切れるほうを選んでください。図2で見るように切断面がきれいなニッパーは、刃先の部分(Cの向こう側の面)がずっと平らです。きれいに切れないニッパーは刃先の部分が少し引っ込んでいます。切断面が平らだと後で作る丸カンの合わせ目などがぴったりといきますので、この点を注意して選んでください。普通のニッパーでの切断に適しているのは、だいたい1.2ミリくらいの太さのものまでです。それ以上のものはカッターで切らないとニッパーでは壊れることがあります。また、ピアノ線のような硬いものも、刃先をいためるので避けたほうがいいでしょう。強力なものや専用のものもあるのでパッケージの表示を見てください。

3:プライヤー・手芸用ペンチ
ラジオペンチに似ていますが先端部が細いものや平たいもの、曲がっているものなどがあって、もっていると便利です。ワイヤーを挟んでまっすぐに伸ばす用途のものなどもあります。

4:ヤスリ
切った部分が滑らかでない時や、ピンの先を尖らせるのに使います。

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