古代エジプト文明の遺物の中には線細工の微細な技法で作られた宝飾品があります。
『フィリグリー』というこの技術は、糸のように細くした金や銀をコイルに巻きあげて模様をつくり、それらを溶接して作り上げるもので、あたかも実際に糸を編んだレースのように見えます。
エジプト第12王朝に始まったいわれる細線細工の技術は、その後、世界各地に伝播しました。同様の技術はギリシア、エトルリア、インド、、古代インカ、中国、朝鮮にも見られますが、わが国の古墳からも耳飾が出土しています。
その後、古代ヨーロッパやアジアなど世界各地に伝えられて、中世には盛んに作られました。
しかし今日、フィリグリーと呼ばれるものについては、ほとんどがプレス・パンチングによって大量生産された透かし模様のパーツであって、またフィリグリーという言葉は、それが本来生みだしていた文様自体を指しても使われています。ですから、技術が伝承されているごくまれな場合でなければ、本来のフィリグリーを見かけることはないようです。
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また、16世紀にローマカトリックの修道院において始まったといわれる『クロスターアルバイテン』という伝統工芸もあります。
細い金銀などのワイヤーにビーズを通したり編み込んだりして製作するもので、初めは聖遺物の装飾に使われていたようですが、巡礼の記念用として持ち運べるようなものも作られるようになりました。
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